成年後見制度を少しでも理解していただき、必要に応じて制度の利用につながるよう、令和6年度3回目の講座を開催しました。
過去3年間開催している制度講座の中で、最も多くの皆さんに参加いただき、講師の栗山昌治様から制度の内容を大変わかりやすくお伝えいただきました。
栗山先生は羽島市でご活躍中の司法書士で、成年後見人としても多くの方をご支援されています。
その実例を交えた内容により実情がイメージしやすく、参加者アンケートからも好評だったことが伺えます。
【内容を一部抜粋】
本人の判断能力に応じて3つの類型(後見/補佐/補助)による後見人等の業務のイメージは
・後見→基本、本人が手続きできない、を前提に→「代理(エージェント)」⇒代わりにやる
・保佐→基本、本人も手続きがある程度できる、を前提に→「サポート(部分的に代理)」⇒一緒にやる
・補助→基本、本人も手続きができる、を前提に→「アシスト」⇒背中を押す
各制度や介護保険制度、成年後見制度を自動車で例えると・・・
・法律や医療制度→車体
・介護保険制度→ガソリン
・成年後見制度→潤滑油
それぞれが単体の制度ではなく、
連携のもと成立しているイメージ
ただ、制度のマイナス要素が報道されることで、制度をネガティブにとらえている方もみうけられるのも現状です。
理由として…
・後見人が本人の判断能力回復まで、または亡くなるまで続く制度の使いにくさ
・後見人の不正
・国際的にも成年後見制度の特に後見類型と保佐類型は、後見人が代理できることが多いため、本人意思に沿っていないのでは、と権利の確保を求められている
そのため
現在、意思決定支援の重要性が広まっており、
また制度のスポット利用(その時だけ後見人を選任)なども含め、最高裁などで検討中です。
後見人もすべて対応できるわけではありません。
【成年後見人としてできること・できないこと】
・買い物や病院等の付添い、食事の準備→基本できない(やらなくて良い)
・特に、現在高山市でも課題になっている事項は
●身元引受人→できない。
ただ、身元引受人が担う内容を支援者間で役割分担して進められる場合もある
●医療の判断や同意→できない。
そのため、後見人も含め支援者が、本人の意志に沿って意志表示できない場合は本人の権利擁護のため合理的に
医療チームとともに合意形成を図っていくことが必要。
これらをふまえ、栗山先生からのまとめとして…
『成年後見制度の役割は、一番は本人を守るため。有効に活用してもらうため、本人や家族が制度を利用する場合のメリット/デメリットを要検討し、本人意志や家族の思いを確認していく必要があります。』という言葉で締められました。
成年後見制度についてのご相談がございましたら、お気軽にご相談ください。